損害賠償金と障害年金との調整について(交通事故)

交通事故などの第三者の行為が原因で障害年金を請求することがあります。第三者行為が原因で障害が残った場合、多くのケースは加害者から賠償金や給付を受け取っているはずです。第三者行為が原因の障害で障害年金を受給した場合、1つの事故について加害者からの賠償金と国からの年金という二重の補償を受けることになります。そのため、障害年金を一定期間支給停止にすることで二重の補償を受けることがないよう支給調整がされています。

損害賠償金(自賠責保険等を含む。)といっても、「逸失利益」や「休業保障」のような生活保障費相当額のみが対象で、慰謝料、医療費、葬祭料などは調整の対象ではありません。支給停止期間は、事故が発生した翌月から始まり、最長36か月間です。ただし、平成27930日以前に発生した事故等の場合は、24か月が上限になります。

なお、3年も年金が支給停止されるわけではありません。
障害年金の受給は、早くても障害認定日(事故から1年6か月経過日)翌月からの開始です。
従って、停止されてしまうのは、残りの1年6か月分が上限となります。
支給停止期間の算出方法は、次の通りです。

支給停止月数
=36月 - 事故日から障害認定日までの月数 - {損害賠償額-(実出費+慰謝料)}÷一月当たりの基準生活費

①損害賠償金を受けた場合の取扱い

相手方から損害賠償金を受けた場合、事故日の翌月から起算して最長で36か月の範囲内で障害年金の支給停止が行われます。支給停止期間が満了した後、障害年金の支給が再開されます。

②損害賠償金を受けていない場合の取扱い

示談中等のため、相手方から損害賠償金を受けていない場合、通常、先行して障害年金が支払われます。この理由は、障害年金の支給停止期間の算出に当たっては、損害賠償金の受け取りが完了するまで待つ必要がありますが、受取りが完了するまでには相当の期間を要する場合があることから、この間、何の生活補償も受けられないこととなり、受給権者(被害者)の生活に多大な影響があるからです。

その後、受給権者が損害賠償金を相手方から受け取り、保険者が年金の支給停止すべき期間を確定した時点においては、本来であれば支給を停止されるべきであった期間分の障害年金が既に支払われていることから、この期間に支払われた年金を保険者に返す必要があります。このため、本来の支給停止期間が経過し、支給が再開された後に支払われる障害年金額から2分の1の額(半額)が支給停止額に達するまで差し引かれて調整されていきます。差引調整される額については、別途申出することにより、2分の1の額以外(それ以下や一括等)に差引調整率の変更もできます。

第三者行為の障害年金の申請は、ご自身では非常に大変な作業だと思いますし、決定後も送付されてくる書類を正確に読み取ることは、至難の業でしょう。このような煩雑なご申請は専門家へご依頼ください。

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