人工関節の障害年金
人工関節は、少なくとも3級に認定されます。人工関節を入れた場合、就労状況とは関係なく、たとえフルタイム勤務でも3級には認定されます。ここで、「私は初診日のときに国民年金だったから、障害年金を請求できない」と諦めてしまう方がいます。障害基礎年金は1級と2級しかないからです。しかし、人工関節又は人工骨頭を挿入置換してもなお、一下肢については「一下肢の用を全く廃したもの」程度以上に該当するとき、両下肢については「両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」程度以上に該当するときは、さらに上位等級に認定される可能性がございますので、ご注意ください。
また、人工関節の代表例である変形性股関節症は、先天性の股関節脱臼や臼蓋形成不全が原因であることがあります。従って、子供の頃に股関節脱臼で治療を受けていると、初診日が20歳前とされて国民年金の扱いとなり、1~2級しかない障害基礎年金は請求が難しくなります。
しかし、幼少期の治療後長期間自覚症状がなく、大人になってからサラリーマンとして働いていたとき(厚生年金加入期間中)に発症した場合は、障害厚生年金での受給が可能です。
このような事情ですので、変形股関節症の初診日の審査は厳しいです。「先天性股関節疾患用アンケート」の提出も求められることとなりますので、その記載は慎重に行う必要があります。
なお、人工関節・人口骨頭は、「障害年金は初診日から1年6月経過していなければ請求できない」の例外になります。挿入置換日以後から請求できますので、お早めにご準備ください。