胃がん、胃切除後症候群 50代男性 ⇒不支給
胃全摘後のダンピングの認定が厳しくなっていることは先日述べた通りです。しかし、今回は、不支給になってしまいました。連絡を聞いたとき、障害認定日(初診日から1年6か月)の頃はフルタイム就労されていたことと、現在は就職活動中だったからかと思いました。(途中で倒れてしまわないように約束時間の数時間前に食事をとって体調を整えてから出かける、仕事中でも補食をさせてもらう、仕事の途中で休憩を適宜とらせてもらう等の配慮は受けていましたが。)ところが原因を年金事務所へ問い合わせたところ、「全身倦怠感無し」「再発・転移無し」と言われ、胃がんのみしか審査されておらず、ダンピングは無視されていたことがわかったのです。
通常は、不服申立に進むことを提案しています。しかし、このお客様には、不服申立をおススメしませんでした。何故なら、弊所に「あてにしていたのに!」とクレームのようにおっしゃってきたからです。この障害年金のお仕事は、お客様と社労士のお互いの信頼関係が必要です。何故なら、私たちは成功報酬制です。年金事務所へ提出するまでには、お客様との初回面談2時間、病院へ数回の往復で数時間、病歴就労状況等の作成に1日がかり、各種申立ての作成に数時間、年金事務所へ足を運び待ち時間も含めて数時間、お客様との最終面談に1時間かかっています。さらに、これまで蓄積されてきたノウハウを提供しています。これらが、決定しなければ無償になってしまうのです。当事務所としても、不支給は大変落胆します。
世間には、必ず決定する自信のある案件しかお引き受けしない社労士が多くいます。しかし、当事務所は、障害年金の制度趣旨を重視し、本当に障害年金が必要な人へ障害年金が行き渡りますようにとの願いから、難件でも受任しています。障害年金のお仕事は1件1件思い入れがあります。お互いに気持ちよく接していきたいものです。